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Carlsbergのキャンパス・街

2017年7月20日(木)デンマーク, 北欧家具・インテリア・北欧雑貨, 旅行記

3日目は、ビールでよく知られている
「カールスバーグ」のキャンパスを見学させていただきました。

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2016年に設立されたこの学校は、学生が10,000人、先生が800人。
トータル57,000㎡の中に、125の教室があり、
科目も、テキスタイルデザイン、手話、保育士など、多岐にわたります。

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教員室はないそうです。
そのかわりに、先生の作業場であり、グループワークのためのスペースが
建物のどのフロアに行ってもたくさん設けてあります。

公共の場だからとビニールシートの椅子なんてこともなく、
ファブリックの色合わせなど、各ゾーンにテーマがあります。
本当にどこに行っても、基本的なインテリアセンスを感じられる国です。

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合わせて、カールスバーグが街づくりの舵取りをしている、
カールスバーグの街も見学しました。
数年前に訪れたときの面影が残る街は、
生まれ変わりの躍動感にあふれていました。

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投資家3社が入って、街の計画を進めているそうです。
約60万㎡の土地には、新築の建物だけでなく、
全体の15%は歴史的な価値ある建物が残されます。
完成すると全体の50%住宅、35%企業、15%文化・学校という構成。

残される古い建物は用途を変え、
その色や雰囲気をベースに、周囲の新築はデザインされていきます。
また、周辺の街との調和も意識され、
敷地外周部の建物は低く、中央に向かって高く、
といったバランスになっていくそうです。

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福岡市では、九州大学の古い建物が壊されています。
確かに古かったけれど、趣のある建物がたくさんありました。
解体後のさっぱりした風景を見ると、
せめて残されたものが、新しくつくられるものと融合して、
新しい魅力が生まれますようにと願うばかりです。

カールスバーグの街で、大切な古い建物は残すんだと、
そして壊す建物に使われていた古いレンガは
新築の建物に再利用し、廃棄によるCO2排出を削減するんだと、
当たり前のように言われるたびに、
九州大学跡地のことが、脳裏をよぎりました。

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そしてこの街の売りは、
建物のデザインだけが先行するのではなく、
ここでみんなが「生活すること」に重きを置いていることだそうです。
地域ごとに職と住を区分するのではなく、
学校の上がマンションになっているなど、職住が接近しています。
移動によるCO2が削減されるからです。
それはビルに入る企業が、
例えライバル会社だったとしてもOKなのです。

ライバル意識より環境配慮。

そういうの好きです。
戦うのはそこではないっていう姿勢。
目先の利益にとらわれずに、
長い目で全体を見て、本質的に強く前に進む感じ。

2024年の完成に向けて、この街は進化し、風景は変わっていきます。

補足:レンガを積む外壁ならでは。
こんな面白いファサードにめぐり合いました。

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naka