コンセプトConcept

  1. 北欧住宅フーセット
  2. コンセプト

一枚の絵の様に佇む家。

デンマークでは、以前にその家に住んでいた人のことを、その人たちが育てた箇所を、縁あって住むようになったその家のことを、ひとつの物語のように語り継いでいきます。

家族といると幸せ。家族に残る幸せ。
そんな言葉を素直に口にできる空気が、そこにあります。
そこで暮らす家族が、そこに集まる人たちが、屈託のない笑顔で過ごしているから、いくつになっても帰って来たいと思える場所になります。心身ともに充電され、家族との時間を大切だという言葉が自然と発せられ、その家を大切にしていく歴史が、また次に住まう人にも引き継がれます。

何年たってもその街並みの中でてらうことなく、風景の一部になりながら、ファインダー越しに写るその家が、
一枚の絵のようにそこに佇んでいることを願います。

自然素材を選ぶ。

それは、人が使い、日に当たり、風を感じながら、人と共に生きていくものです。
本物だから、その変化は歴史を感じる風合いになります。

無垢のフロアは、表面を削ることで再生させることができます。
漆喰や珪藻土などで塗られた壁は、上から塗り重ねて、新調することもできます。

お手入れは、その素材から使いこなした美しさがにじみ出るのを感じ、手を加えると同時に愛着がしみ込んで、手放したくないという思いが芽生えることでもあります。
住まい手の気持ちひとつで、その素材がボロになるか風合いを増すか、その道は大きくわかれます。

北欧の家具・照明。

北欧家具は、派手さはなく、素材や人間工学にこだわった、その環境に収まるデザインです。昔の日本の和のデザインと通じるところがあります。

使うほど、年を重ねるほどに美しくなり、愛着が湧くタイムレスなデザインは、次の世代が譲り受けても古さを感じることはなく、むしろ自分の体になじみ、長く使い続けられるものが多くあります。
また、日照時間の短いデンマークでは、太陽を欲し、また太陽の光を大切に扱っています。窓を通して入ってくる光がつくり出す窓際は、映像のようです。

一方で長い夜は、キャンドルを灯し、ペンダントライトやフロアスタンドなど、重心の低い照明器具が、温かく、落ち着いた空間をつくり出します。空間の雰囲気を大きく左右する照明器具は、明るさだけではなく、夜の美しさ、目から入る光によるくつろぎという役割を担っています。

家を育てる。

たとえば年を重ねても美しい人がいるように、素肌を大切に、健康的に生きている人は、その頬に刻まれたシワさえも美しく見えます。
家も同じで、建物を丁寧に健康に維持することができれば、傷もあせた色も、塗り重ね、消そうとしなくても、重ねた年月が風合いとなり、歴史となり、その家を彩ります。

難しいブランドを知らなくても、ディスプレイのテクニックを知らなくても、自分の好きなものを、自分の好きな家に並べてください。
誰かをもてなしたいという気持ちや、家族の喜ぶ顔を思い浮かべること。
そこにいる家族と同じように、大切なものに囲まれるだけ。
ただそれだけの、自分たちらしい暮らしがそこにあります。

カタチではない空気を守る家。

家族の価値観、土地に根付いた習慣、残されていく街並み、
そして、その国の文化。
自分や家族の生涯を預ける家に何を求めるのか。

デンマークには、"Hygge" (ヒェッゲ)と言うことばがあります。
それは、ほっこりと柔和な空気感で使われる独特の表現で、
翻訳するには適切な単語がありません。

誰もが日々の起点とする家が、"Hygge"のある家ならば、
家族や友人とくつろぎ、和をつくり、日々のエネルギーが生まれ、癒さる…。

フーセットは、カタチではない空気を守る家を、
デザインや利便性にとらわれない、普遍的なものと考えます。
家族と、長く連れ添っていく相手だからこそ、
強く、美しく、佇んでいてほしいのです。