スタッフブログBlog

  1. 北欧住宅フーセット
  2. スタッフブログ
  3. 2014Denmark-3 とある家族のおうち

2014Denmark-3 とある家族のおうち

2014年10月15日(水)デンマーク

毎回わたしがデンマーク研修でいちばん感動するのは、
何よりも個人の方の家です。
今回おじゃましたのは、スカンジナビアンリビングの小林さんの旧友のおうちでした。

ご夫婦が購入された建物は、
築80年、30年間放置されていた家を、
ご夫婦で10年かけてリノベーションされたんだそうです。

建築当初のヘリンボーン張りの無垢のフローリングは、
表面を研磨し、新たにホワイトオイルで仕上げ、美しくよみがえっていました。

IMG_37372

一度に買い揃えてコーディネートしてもかっこよく仕上がりますが、
スタイルにこだわらないご夫婦オリジナルのコーディネートは、
ご夫婦の人柄がそのままにじみ出ていてあたたかく、
外国の、全く知らない人の家であるにも関わらず、
思わず気持ちがくつろいでしまうので不思議です。

IMG_3756

シーリングライトに頼らない照明計画も、大好きです。
テーブルスタンドをあちこちにおいて、
光の重心が下がった空間は、
カラダにダイレクトに働きかけて休息を与えてくれる気がします。

IMG_37551

小屋裏部屋も十分な広さがあるので、
家具の配置等に悩まされることなく、
天井高の低い部分まで有効活用されています。

IMG_31881

デンマークに建材や家具を注文すると、平気で納期が3、4か月かかります。
そして、いいものを手に入れるためなのだから待つのは当然、といったふうに説明を受けます。

いつもなら、日本の市場にはちょっとツライなと思うところなのですが、
こんな家に出会うと、
わたしはそんなに毎日急いでいたのか、あせっていたのか、
もっと目を向けるべき大切なものがたくさんあるのではないかと、
泣きそうな気持ちになるのです。
決してデンマークの時間の流れが遅いわけではないのに・・・。

気づかないうちに当たり前を頭で決めて、それでいいと思い込み、
盲目になっているのかもしれません。

IMG_37691

旅はとにかく、写真に収めることに必死になりがちです。
でも、ひとたびカメラを持たずにいたら、
この記憶を、一生懸命に心に焼き付けようと、
感性の受光部が広がるように感じることがあります。

Hyggeにあふれた家づくりは、
あるのが当然だから選ぶのではなく、
心が向くものを探す、
そんなところから始まっているのかもしれません。

毎日うっかり忘れがちな心のレンズで、
本当に大切なものをしっかりと見つめられる、
そんな自分になりたいと思います。

2014/9/30 naka