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2014Denmark-2 デンマーク王立大学学生寮

2014年10月14日(火)デンマーク

円形の造形的な建物は、デンマーク王立大学学生寮です。

コンペで選ばれたプランは、
透明性のある、個とコミュニティが中和した、WA(和・輪)を哲学としたものでした。

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中庭を中心とした内外二層の円形によるゾーニングで、
外周部をプライベートルーム、内周部をコモンスペースとなっています。
トータル360の個室から、全員が円の中心に向かうという、
コミュニティの動線が無理なく描かれたような設定でした。

12室とキッチンが一つのユニットとなり、フロア内で5ブロックに分かれ、
そのユニットがファミリーとなり、より身近な関係性となっています。

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今回ご案内くださったのは、設計者のLene Tranberg さんと、
この寮で生活しているという26歳の学生さん、
講師のアレックスさんです。

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コモンスペースはシアタールーム、洗濯室、パーティルーム、などいろいろ。
それらは中庭に向かってガラス張りで、
中庭を介して様子が見えたり聞こえたりすることで、
興味がある人が好きな場所に集まります。

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もしあまり活用されていない部屋があったとしたら、
用途を変更してもっと活かされるよう、
学生たちが自主的に話し合います。

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また寮は、寮生のボランティアによって運営されており、
当然、入居者に男女や学年の区別もなく、
規則のようなものはないそうです。

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今回見せていただいたプライベートルームは29㎡。
お風呂とトイレ、ベッドスペース、小さな収納とデスクがあるくらいの、小さな部屋です。
たとえばそれを狭いと感じたら、コモンスペースへ出ていけばいいのです。

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個々が考え、協調性と責任を持って行動することが社会のためになる、
それを自然と体で覚えていくようなしくみでした。

ルールという形のないルールによって協調性を覚えるデンマーク、
大人になって社会に出て、自分で考え動く、
世の中のことが他人事ではない感覚は、
こうしたところでも培われているのですね。

しっかりとしたルールに守られ、
それを守ることが協調性だと教えられる日本とは違う、
社会教育を垣間見ることができた気がします。

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2014/9/30 naka