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9月18日ミュンヘン 【エコバウ建築ツアー】-2

2012年9月26日(水)旅行記

2日目。

Organic Farm,Obergrashof オーベルグラスホーフの有機農場

1920年代に作られた、
市が所有し、5ファミリーが運営する農場です。

環境、動物関係、それにかかわる人間が満足するものとは?を考え、
管理、保全などその持続性により、土壌を守っています。
持続可能な土壌とは、土が自身で再生することができる状態であり、
その性格に合わせた栽培こそが環境に優しいのだそうです。

70~80頭の牛が、食肉用として飼育され、
彼らのエサのワラ、街路樹の小枝、屎尿、落ち葉などからコンポストが作られ、
それを肥料に植物が育ち、それをエサを食べて・・・という土の再生サイクル。

畑の防砂のために植えられた生垣が、
新しい生物のすみかとなり、鳥がやってきて、
害虫を食べ、糞をして、どこかから種を運び・・・という生命の再生サイクル。

いくつもの循環社会が成り立っていました。

隣接した幼稚園もとってもかわいらしくて。
「こんにちは」と日本語で言ってくれる子供たち↓

Rudolf Steiner schole シュタイナースクール

想像力をかきたてる、多角形や変則的な動きのある建物です。
できるだけ材料を隠さず、凹凸とカラーで表情を出しているそうです。

7歳までに見たものや経験したことが
人格に影響を与えるとされるシュタイナー教育。
自然のモノの、どこか未完成なところが彼らの感性を高め、
自由な発想で遊ぶことができるようになるんだそうです。

ホールの塗装は、父兄のボランティアによって
10年がかかりで完成したもので、
子どもたちのことを思い、話し合い、
こんなニュアンスのあるカラーになったとのこと。
写真ではうまく伝わりませんが、優しいグラデーションなんです。

日本に溢れている、間違いがなく安全で、しっかりとした遊び道具。
ケガをしないように、汚れないように・・・。
それは教育に限らず、住宅建材にも。
手離しの安心感と引き換えに、
可能性もずいぶん失っているように思います。

着せられた恩が響かないように、
自分本位なものは相手に伝わらない。
結果、成果物のクオリティも上がらない。

豊かさとは??

自分にとっての豊かさは、自分の判断によってそれでよしとしてもいい。
その他の選択肢も、知らなければそれも幸せかもしれない。
頭で考える正解は結果論だとしても、
プロセスは、周りを見渡し思いやり、
自分の声に責任を持つ必要があるようにも感じます。

悩ましい2日目でした。

naka