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水前寺リノベ、完成しました
門をくぐってからの趣のある外観は残したい。
でも内部は、既存の良さを生かしつつイメージを一新しようと、
水前寺のリノベーションは始まりました。
実は今回、
水前寺リノベが始まった当初のブログをご覧になった方々から、
「素敵な家だからそのままでもいいじゃない」というお声を多数いただきました。
そしてまさに、水前寺の家は、
姿を大きく変えることなく、住まうための環境を整え、
また更なる歴史を重ねてもらえるような設えとするための
大切なリノベーションだったと思います。
住宅をリノベーションする目的は、
間取りやデザインをおもしろく変えることだけでは不十分です。
仕上がったときに見た目にはわかりませんが、
住まい心地や過ごしやすさを確保することも、
古い家を残し、そこで住まうことを選択されたご家族に必要な項目だと
Husetは考えています。
既存の建物と調和し、ともに時を重ねていける素材、
「住まう」という日常に寄り添う、壁や窓の断熱性や気密性、
それらが満たされてこそ、
空間を使用する自由度が高まります。
暑さ寒さを恐れることなく大胆に露出させた
小屋組みの見える高い天井は、
床面積が変わらずとも、広さが増したような錯覚を起こします。
ナナメの天井をめぐる光も、柔らかくてキレイです。
それぞれの部屋にアクセスするためのただの廊下も、
広さや長さが変わらなくとも、
動線の中に収納という利便性を加え、
扉が開くたびにグラデーションが見える白いトンネルにすることで、
少なめに配した光が抑揚を奏でる、
印象的な空間に変わりました。
古い建物をリノベーションするからこそ思う、
木は木でなければ。壁は壁でなければ。
歴史が刻まれないフェイクは、
削れない、ペンキが乗らない、手を加えることもできない。
〇〇模様だったらいいなんて判断は、10年、20年後には「ナシ」だと。
今回出会った水前寺の家は、
長く付き合っていきたいと思える、
毅然とした美しさのある住まいでした。
高価でなくても、本質的なものを見失わなければ、
古くなっても、誰かがその佇まいに賛同し、再生の道を選んでくれるのだと、
気づかせてくれました。
時を超えて愛される家との出会い、
そしてその家のリノベーションを託してくださったSさん、
慣れない工事にお付き合いくださった江藤社さんとの出会いに、
心から感謝しています。
熊本よかとこ。
みなさん、本当にありがとうございました☆
naka