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Alvar Aalto 厚生年金会館

2013年8月22日(木)北欧家具・インテリア・北欧雑貨, 旅行記

お盆休み、ミーハーツアーを断行すべく、
フィンランドからデンマークまで、あちこち歩き回ってきました。
その感動の一部を、少しずつご紹介させていただきます。

8月14日(雨)
フィンランドに到着した翌日は、
アアルト建築からスタートしました。
中央駅近くからトラムに乗って、まずは厚生年金会館へ。

あいにくの雨。
テンションを上げ損ね、外観はほとんど写真を撮っていません。反省。

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しかし、フィンランドに来てまで雨にくじけているわたしでも、
建物に近づいたところから、
アアルトの世界にがーんとやられてしまうのです・・・。

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この厚生年金会館は、
1948年、コンペを勝ち抜いたアアルトが、
その後の敷地変更に合わせて1952年まで設計、
1956年に完成しています。

三角形の敷地に、中庭を取り囲むように、
オフィス、従業員レストラン、図書室が配置されているそうです。
また、オリジナルの家具や照明などが随所にデザインされています。
それだけアアルトにとって思い入れの深い建物だったのでしょう。

まずはメインエントランス。

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アラビア製、特注の円柱タイルで覆い尽くされた壁。
床の大理石はイタリアやベルギーからやってきたものだそうです。

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床~壁~天井へと意識されたラインが直線的なのに、
丸いタイルのせいなのか、
あちこちに織り込まれた木の存在のせいなのか、
むしろ温かさを感じるから不思議です。

ちなみにエレベーターまわりは違う色。

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ホールの照明。

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多目的ホールの見どころは、なんといっても深く陥入したスカイライト!
本当に自然な、澄み切った明るさでした。
パブリックの大きな来客スペースというのは当時は画期的で、
アアルトにアメリカ在住時代があったからこそのアイディア・・・?と聞きました。

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従業員食堂。
公共の施設の食堂ですが、
中庭とつながり、しっとり雰囲気のある照明。

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そう、職場だからいいとかそういう問題ではなく、
こういう贅沢て大事よね!と、勝手に興奮気味です。

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ちなみに天井はアルミパネル。
裏側に走る銅管の熱を、パネルで広げて放熱するという暖房器具なんだそうです。
1956年からずっと、この暖房でやりくりしているというから驚きです。
もちろん、サッシはトリプルガラスでしたが、
本当に足元まであったかいのだろうか・・・、不思議です。

そして図書室。

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決して広くない、狭くもない、絶妙にリアルなスケール感。
なんかとても色っぽい・・・と思ったのはわたしだけでしょうか。
まるいトップライトからの自然光も然ることながら、
真鍮の施された白樺の本棚も、
手すりも取っ手も、どこに目をやっても、・・・ため息。

ほんとにすごいんだ・・・と
今さら何を言っているんだと怒られそうですが、
この旅が、素朴な感動から始まったということに、まず感謝!

naka