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生活感という歴史

2019年3月4日(月)ひとりごと, リノベーション, 北欧家具・インテリア・北欧雑貨, 警固リノベ

取材にご協力いただき、
久しぶりにお伺いした「警固リノベ」Uさんのおうち。
リノベ完成後から5年の月日が流れました。

5年もたてば、お子さんも成長し、
ご夫婦の趣味も変化していたり、
庭の木が成長して目隠しや木陰をつくってくれたりします。
もともと南側に窓のないリビングですが、
日中でも少しカーテンを下げ気味にしてスタンドが灯され、
新たに増えたビンテージの家具やアートと共に、
しっとりとした深みを増していました。

そして、
「うちにはまだ生活感が足りない」
と、興味深いコメントをいただきました。

俗にいう生活感とは、
「雑然とした、人に見られたくない所帯感」
というイメージの方が多いと思います。

確かに、家は生活すると汚れているときもあれば、
散らかって、見ているだけでストレスを感じることもあります。
その場しのぎで使っている安物の雑貨、食器などもあるかもしれません。

今回のお話はそうではなくて。
その人が時間をかけて集めた本物たちが、
雑多に並べられて混雑していたとしても、そこには整然がある。
生活感という歴史と重みへの関心という、
とてもすてきな考え方なのです。

ときどき出会う、ため息しか出ないような美しさや、
自然と幸福感を感じさせるようなカオスな空間にたどり着くには、
どうしても時間が必要です。

そう考えると家は、
ずーっといじりつづけられる趣味みたいなものかもしれません。
その第一歩として、新築やリノベーションで、
いちばんの素地をつくっていただきたいと思うのです。

数年後こそかっこいい。
Husetは、ずっとそんな家でありたい。

naka