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穢れない瞬間

2018年9月6日(木)ひとりごと, デンマーク, 北欧住宅(注文住宅), 建築現場から

数年前から抱いていた夢が、一歩近づきました。

今週の始まりは、埼玉県所沢市から。
Husetの思いに共感してくださり、
プロジェクトをご一緒させていただけることになった、
所沢市のエムズデザインさんとの現場確認です。

今回は、新しい窓であるフォールディングドア(折れ戸)にチャレンジするため、
デンマークの本社から社長も確認に来てくださいました。

本国の取り扱い説明のMovieも確認し、それに従い設置を試みました。
今回の建物は、木造で、かつロックウールの外張り断熱を施します。
窓の重量も然ることながら、そもそものサッシの構造・・・。
実際に窓を設置した場合に考えられるリスクなどを思うと、
カンタンに取り付けるわけにはいきません。
皆でアイディアや疑問を出し合い、
アナログなシミュレーションや測定を経て
最終結論を出しました!

この日は、新しいことにチャレンジし、それを公開する。
まさにその瞬間、という印象でした。
不純物のない透き通ったドキドキに触れ、
わたし自身の考えを、改めてアウトプットしながら、
なぜ?どうやって?いつ?と、頭を整理しています。

そうすると鮮明に蘇ってきました。
フーセットの始まりが。

初めてのデンマーク研修で訪問した、個人邸のこと。
シンプルなのに印象的なシルエットの三角屋根のおうちで、
カーテンのない窓からは温かい夕食前の風景が見えました。

玄関を開けるとすぐに、自然な温かさに包まれ、
ただいまと帰宅したパパが子供を抱きあげ、泣くとママが授乳する。
テーブルにも床にもおもちゃは散らかっているけど
子ども中心のインテリアではなく、
ある意味大人の空間に、当たり前の家族の日常が共存していた。

ふわふわの何かに頭を撫でられたように
幸福感がMAXで押し寄せてきて、
涙をこらえながら切るシャッター。
(おかげで写真はピンボケだらけ)

扉の向こうにチラっと見える洗面所さえ
書籍の中のワンシーンのようで、
流れる時間すべてに色を感じる、豊かさがありました。

身の丈のスケール感、華美でない装飾、
建築が空間のすべてを決定づけているわけではなく、
豪華な家具が完璧にそろっているから、というわけでもない。
バランスがよく、それぞれが上質で、
美しく、心地よく過ごそうという思いに溢れていた。
またその家には、それを下支えする温熱環境が伴っていた。

日本にもきっとそんな風景はあったのだろうけれど、
いつからこんなに遠いものになってしまったのだろうか。
忘れてた、いや知らなかったと、ショックが大きすぎたあの日。

家族といると幸せ、
それを口にするのが照れくさいとも思わない、
「豊かに生きる」ことを強く感じたあの瞬間、
北欧住宅をやろう!と胸に誓いました。

とても長くなりましたが、
スタートという、穢れない瞬間を見せていただいたエムズデザインさんに
心から感謝しています。

今日からのHusetに、始まりの日の思いを積み直し、
新たなる航海に出たい、そんな気分です。

naka